Nationality

フィリピン共和国憲法(抄)

(1987年2月2日施行)〈仮訳〉

第4節 市民権
第1条
次に掲げる者は、フィリピン市民である。
(1) この憲法採択の際にフィリピン市民である者
(2) フィリピン市民を父又は母とする者
(3) 1973年1月17日以前にフィリピン人母から出生した者で、成年に達した時にフィリピン市民権を選択した者
(4) 法律に従い帰化した者

第2条
生来の市民とは、フィリピン市民権を取得又は完成させる行為を行わなくても出生以来フィリピン市民である者である。本節第1条(3)項の規定に従いフィリピン市民権を選択した者は、生来の市民とみなす。

第3条
フィリピン市民権は、法律で定められた方法により、喪失し、又は再取得することができる。

第4条
外国人と婚姻したフィリピン市民は、自らの申請又は不作為により法律で放棄したものとみなされた場合を除き、市民権を保持する。

第5条
市民の2重の忠誠は、国家の利益に反するものであり、法律に基づき処罰される。

簡易帰化者の推薦のための3人(小)委員会に関する大統領書簡

(1975年7月9日及び1976年12月29日の改正を含む)
(1975年4月11日大統領指令第270号)<仮訳>

 司法次官、外務大臣、帰化移民局長あて

 主題 宣言による適格外国人の帰化

 本邦に永住する外国人で、本邦の経済的、社会的及び文化的発展に貢献するとともに、フィリピンに対する愛及び忠誠心並びにフィリピン国民の風俗・伝統及び思想に対して親近感を育て、かつ、表明している者につき、フィリピン市民権を付与することによって国民に編入するために、次のように指令する。
第1 次に掲げる資格に該当し、かつ、次に掲げる欠格事由を 有しない外国人からされる布告による帰化の申請を受理し、審査し、それについて勧告を行うために、貴下に対し、司法次官を議長とする委員会のメンバーになることを命ずる。

〔資格〕
(a) 申請の日において18歳以上の者(当初は21歳。1976年12月29日から18歳となる)
(b) 外国で出生した者については、移民又は非移民として合法的にフィリピンに入国した者。
(c) 10年以上引き続きフィリピンに居住している者。ただし、次の特別資格を有する申請者は、その期間を5年に短縮する。

(1) フィリピン政府、州、市、自治体又は小行政区の官庁に誠実に勤務したことがあること。(2) フィリピンで新産業を興し、又はフィリピンに有用な発明を導入したこと。
(3) フィリピン人と婚姻していること。
(4) フィリピンにおいて2年以上の期間、教育又は産業のいずれかの部門で、特定の国籍又は人種の子供を教育するために設けられたものでない公立又は公認私立の学校において教師の職にあつたこと。
(5) フィリピン国内で出生したこと。
(d) 善良な品性を有し、フィリピン憲法の基本的原則を信奉し、かつ、フィリピン居住の全期間を通じ、居住している地域社会及び政府との関係において、適法かつ非難の余地がない行動をしている者。

(e) 自らの生計のため、若しくは申請者が婚姻しているか、若しくは扶養親族がある場合には、それらの者を扶養するための十分な収入をもたらす既知の商業、事業、知的職業若しくは合法的な職業に従事し又は資産を有する者(資産は、1976年12月29日改正により加えられた。)
ただし、その資格及び潜在能力により有為な市民になるものと見込まれる18歳以上の善意の学生については、この限りでない。

(f) フィリピン語又はフィリピンの主要な地方語の一つを話し、かつ、書くことができる者(当初は、「英語、スペイン語及び主要なフィリピン語」であつた。地方語は、1976年12月29日の改正により最初に加えられた。)
 ただし、委員会の見解によって、それ以外の点においては布告による帰化の資格があることが明らかであるとされた者については、フィリピン語又はフィリピンの主要な地方語の1つを書くことができるという要件は不要である。

(g) 帰化の申請前に、必要条件であるフィリピン居住の全期間を通じて、就学年齢の未成年の子を公立学校又はフィリピン文化教育省によって承認された(当初は、「フィリピンの歴史、政治、市政学を教育課程として教え指示するところ」とされていた。)私立学絞のいずれかに入学させている者。

(h) フィリピン居住の全期間を通じて、フィリピンの慣習、伝統、思想を奉じ、かつ、学ぶための誠意を示して、フィリピン社会に同化している者。

〔欠格条項〕
(a) 政府に反対し、又は政府に反対する主張を支持し、若しくは唱える組織された団体又は集団に加入する者。
(b) その思想を成功させ、若しくは優越させるため、暴力、個人襲撃又は暗殺の必要性又は妥当性を弁護し、若しくは唱える者。
(c) 一夫多妻又は一夫多妻実行の信奉者。
(d) 非道徳的堕落を意味する犯罪で有罪の宣告を受けた者。
(e) 精神が錯乱し又は不治の伝染病に罹病している者。

 (フィリピン人の母から出生した外国人)
 新憲法の発効以前にフィリピン人の母から出生し、かつ、出生以来フィリピンに継続して居住している申請者は、他の資格要件を具備しない場合でも有資格者とみなす。ただし、18歳以上であり(18歳以上の点は、1976年12月29日の改正で加えられた。)かつ、上記の欠格事由に該当する場合はこの限りではない。

第2 申請書には、申請者自身の署名及び証言がなければならず、また、申請者の写真、入港証明書、外国人登録証及び移住者居住証明書の認証する謄本又はその写しを添付した上、3通の申請書を提出しなければならない。また、信頼できる証人2人の各別の宣誓供述書が提出されなければならない。
 その宣誓供述書には、第一に規定する滞在期間を通じて申請者を知っており、申請者は良き世評の者であつて、道徳的に非難すべき点のない者であること及びその意見によれば、当該申請書はフィリピン市民となるすべての必要な資格を有し、かつ、本指令が規定するいささかの欠格事由をも有していない旨が記載されていなければならない。

第3 申請書は、遅くとも1977年3月32日までに(最初は単に1975年中であつた。)貴委員会に対し提出しなければならない。

第4 貴委員会は、その資料に基づき、前掲の申請者のうちで、布告による帰化の資格と適格性を有する者について、大統領に対し適切な勧告を行わなければならない。(最初は、次のただし書があつた。「ただし、これらの外国人の名と日付につき先きに国防省及び帰化移民局によつて審査され、資格ありとされたときは、委員会の事前の審査なしに大統領に送付しなければならない」)。

第4の2 委員会が申請者のうち布告による帰化の資格と適格性を有する者につき勧告を行わなければならないということにより、申請者が欲するときは同布告においてその名を外国名からフィリピン名に変更することを許すことを妨げるものではない。この場合において、委員会は、夫の名の変更が違法、詐欺的又は気分的な理由によるものではなく、刑事上、民事上、租税上その他の特有の責任を回避することを意図したものではないこと及び国家又は個人がそれにより不当な揖害を受けることがないことを証明しなければならない。
 申請者がフィリピン名を採用するものとしたときは、その妻及び未成年の子についても、それらの者が欲する限り、同 様に取り扱わなければならない。(1975年7月9日追加。1976年12月29日削除)

第5 貴委員会は、本指令の効果的な実施のために、追加して(「追加して」は1976年12月29日の改正で加えられた。)規則及び規程を公布し、適切な書式及び正しく適切な(「正しく適切な」は1976年に「所要の」を改めたものである。)料金を定めることができる。

第6 本指令は同じ事項につき書簡第27〇号及び第283号を修正するものとする。(1976年追加)

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