Nationality

国際法による国籍所得

1-1 国籍取得における生地主義、血統主義

 生地主義は父母の国籍に関わりなく、自国内で出生した者に国籍を取得できるようにするもので、出生の際の地縁関係を基礎としています。アメリカ、イギリス、カナダなどが例です。
 他方、出生した地がどこであっても、父または母が自国民であれば、その子も国籍を取得できるようにするのが、血統主義と呼ばれ、血縁関係を基礎としています。このうち、父母両系主義をとるのが、イタリア、韓国、中国、日本、フィリピン、ドイツ、オーストラリアなど、父系主義をとるのが、イラン、インドネシアなどです。
 ただ、日本も父母両系血統主義を基本としながら、補充的に生地主義が採用され、「父母がともに知れないとき、または国籍を有しないとき」に限って、日本で生まれた子が無国籍になる場合に、日本国籍を取得できるようにしています。
 
1-2 国籍の取得

 現行の国籍法では次のような場合に日本国籍を取得できます。

 1-2-1 出生による国籍取得(国籍法第2条)

 以下の場合には子どもは出生により日本国籍を取得します。

① 母が日本国民である場合。
母子関係は分娩の事実により当然に確定しますので、原則として認知を要しません。また、母の婚姻も要件とはなりません。すなわち、父親の国籍、および嫡出・非嫡出の別に拘わらず、子どもは日本国籍を取得します。
② 母の夫が日本国民であって、その母と夫が法律婚している場合。
出生時に法律上の父子関係が存在します。出生前に父が死亡した場合でも、子どもは日本国籍を取得します。
③ 日本で出生し、かつ父母ともに知れないとき。
④ 日本で出生し、かつ父母ともに無国籍であるとき。
⑤ 父が日本国民であり、かつ子どもの出生前に認知(胎児認知)しているとき。
胎児認知の場合には、出生時に法律上の父子関係が認めら子どもは日本国籍を取得します。要するに、父が日本国民であっても、父母が婚姻していないで、子どもの出生前に認知がなされていない場合、出生後に認知(生後認知)しても、子どもは国籍を取得しません。すなわち、生後認知は国籍取得には至りません。ただし、特別の事情により父が非嫡出子の胎児認知ができなかった場合、しかも遅滞なく必要な手続きがなされた場合には、「胎児認知がなされた場合に準じて国籍法第2条1項の適用を認める」判決が1998年に出されています。

 1-2-2 父の認知および父母の婚姻(準正)による国籍の取得(国籍法第3条)

 出生後の国籍取得のひとつが父の認知および父母の婚姻(法律の文言上、「準正」と呼ばれている)によるものです。
 非嫡出子である20才未満の外国人は、その母が日本人男性と婚姻し、かつその日本人男性の認知を受ければ、届け出により日本国籍を取得します。なお、認知があっただけでは、国籍は取得できないとされています。
 
 1-2-3 自己の志望による(帰化)国籍の取得(国籍法第4条)

 同じく、出生後の国籍取得には自己の志望に依るものがあります。その法的要件として以下が挙げられていますが、行政解釈では法務大臣の自由裁量主義が適用されるため、要件を満たしていても、帰化が認められないことも起こりえます。
 したがって、厳密に考えれば、これらは条件であって、法務大臣の許可が国籍取得の要件となると云えるでしょう。

① 引き続き5年以上日本に住所を有すること。
② 20歳以上で本国法によって能力を有すること。
③ 素行が善良であること。
④ 自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によって生計を営むことができること。
⑤ 国籍を有せず、又は日本の国籍の取得によってその国籍を失うべきこと。
⑥ 日本国籍法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て、若しくは主張する政党その他の成体を結成し、若しくはこれに加入したことがないこと(以上国籍法第5条)。

 1-2-4 国籍の喪失 (国籍法第12条)

 海外で出生した日本人の子どもが出生によりその国の国籍を取得した場合に、出生後3ヶ月以内に日本国籍の留保の手続きをしないと、日本国籍を喪失する。父あるいは母の国籍のみを取得することになります。
 
 1-2-5 国籍の再取得 (国籍法第17条)

 最後に出生後の国籍取得として挙げられるのが、国籍の再取得です。
 国籍法第12条の適用により、国籍を喪失しても、その後日本に生活の根拠たる住所を取得し、かつ20才未満ですと、管轄法務局への届け出により日本国籍を取得できます。
 また、国籍法第14条により期限内に国籍の選択がなされない場合、同法第15条にしたがって書面により国籍の選択が催告されます。この催告から1ヶ月以内に日本の国籍を選択しなければ、その期間が経過したときに日本国籍を喪失します。この場合、これを知ってから1年以内に法務大臣に届け出れば日本の国籍を再取得できます。

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